★ t検定での結果の解釈について ★

 108 t検定での結果の解釈について  宮本  2000/03/08 (水) 09:16
  109 Re: t検定での結果の解釈について  青木繁伸  2000/03/08 (水) 10:22
   113 Re^2: t検定での結果の解釈について  宮本  2000/03/09 (木) 10:09
    114 Re^3: t検定での結果の解釈について  中原  2000/03/09 (木) 10:15


108. t検定での結果の解釈について  宮本  2000/03/08 (水) 09:16
tの値を計算して,例えば,t=8になったとしたら,5%の危険率で平均値に差があると判断できると思うのですが,tの値が大きくなるということはt分布表での外側の面積,つまり危険率をすごく小さくなるということだと私はかんがえたのですが,危険率が小さくなるということは,帰無仮説を採択できる可能性が大きくなると思いましたが,”対応のある場合の平均値の差の検定”を見ると,P≦αのとき,帰無仮説を棄却するとありました。
私はこれは矛盾しているのではないかと思うのですが,どういう風に考えればいいか教えていただけたら幸いです。分かる方はよろしくお願いします。

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109. Re: t検定での結果の解釈について  青木繁伸  2000/03/08 (水) 10:22
検定の考え方の中で最重要なことなのでしっかり理解していただきたいと思います。

平均値の差の検定の例でいうと,帰無仮説は,「平均値に差がない」ということですね。
母集団から取り出した標本に対してt値を計算しますが,帰無仮説が正しいとするとこのt値は0に近い値をとることになります。もし,帰無仮説が誤っているとするとこのt値は0とはかけ離れた値をとることになるでしょう。
ですから,t値(の絶対値)が大きな値をとる確率をPとすると,t値が大きいときP値は小さくなります。P値が小さいということは,帰無仮説が正しいときには計算されたようなt値が得られる確率が小さい,すなわち,帰無仮説が誤っていることを示唆していると考えるわけです。
P値が有意水準αより小さいときに,帰無仮説を棄却するという決定を下しますが,帰無仮説が正しくても「偶然」t値が0とはかけ離れた値をとることもありますので,t値が0とはかけ離れた値をとるからといって帰無仮説が誤っているとすることは判断を誤ることになります。この誤りをおかす確率(危険率)の上限がαです。

統計学の教科書で,検定の考え方の所をじっくり読むことをお勧めします。

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113. Re^2: t検定での結果の解釈について  宮本  2000/03/09 (木) 10:09
ご回答ありがとうございました。

t値を計算して算出するわけですが,出てきたt値の大きさには何か意味があるのでしょうか?
たとえば5%の危険率で検定した場合,ある実験でt=2.263となったのに対して違う実験でt=10というデータがでてきたとしますと,結局,両者とも“平均値に差がある”ということだと思いますが,tの値が大きく違うことに何か意味があるのでしょうか?

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114. Re^3: t検定での結果の解釈について  中原  2000/03/09 (木) 10:15
t値の情報しかないとすれば,「何ともいえない」というのが解答でしょう。

t値の大きさは,
 1)標本サイズ
 2)平均値の差
の関数です。
標本サイズが大きいときも,平均値の差がが大きいときもt値は大きくなります。

標本サイズが同じときには,t値の値を比べることは平均値の差の大きさを比較することになるので,t値が大きいほど平均値の差も大きいということにはなります。しかし,この場合にも,混乱を避けるためには「効果量 effect size」という用語を使って説明する方が好ましいでしょう。

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