有効ケース数を $n$,各ケースの測定値を $X_{i}\ ( i = 1,2,\dots ,n )$ とすると,以下の式で定義される。
\[ H_m = \frac{n}{\displaystyle \sum_{i=1}^n \frac{1}{X_i}} \]
例えば,ドライブをするとき,最初の 24 km を時速 30 km,次の 24 km を時速 40 km,最後の 24 km を時速 60 km で走ったとする。平均時速を求めるときには調和平均でなくてはならない。
算術平均値は $( 30 + 40 + 60 ) / 3 = 43.33$ ということになる。実際に走行した距離は $24 \times 3 = 72$ km であるから,平均時速 $43.33$ km で走行すると,所要時間は $1.6615$ 時間となる。しかし,実際の所要時間は $24 / 30 + 24 / 40 + 24 / 60 = 1.8$ 時間であることから,この数値が誤ったものであることは 明らかである。
平均時速は実際の走行距離を所要時間で割ったものであり,$\displaystyle\frac{ 24 \times 3 }{ 24 / 30 + 24 / 40 + 24 / 60 } = \displaystyle\frac{3}{ 1 / 30 + 1 / 40 + 1 / 60 } = 40$ となる。これは,調和平均の定義式そのものである。
演習問題:
「迷路に 5 匹のネズミを走らせ,出口へ到達するまでの時間を求めたところ,42,54,37,47,26 秒であった。調和平均を求めなさい。答えは小数点以下 3 桁目で四捨五入した値を解答欄に記入し,送信ボタンをクリックしなさい。
応用問題: