事象と集合     Last modified: May 16, 2002

 カードを引いたり,サイコロを投げたりという試みは何回も繰り返すことができ,その結果は偶然のみに支配されるとみなせる。

 このような試みを 試行 といい,試行の結果として考えられる事柄を 事象 という。

 特に,1 回の試行で $n$ 個の事象 $\omega_1, \omega_2, \dots, \omega_n$ のうちのどれかが必ず起こり,しかも 2 つ以上の事象が同時に起こることはないとき,これらの事象 $\omega_1, \omega_2, \dots, \omega_n$ を 根元事象 という。

 根元事象全体の集合を 標本空間 といい,$\Omega$( オメガ )で表すことにしよう。

 一般の事象は,特定の条件を満たす根元事象の集合,すなわち $\Omega$ の部分集合とみなされる。

 サイコロの出る目の標本空間は,

$\Omega = \{ 1, 2, 3, 4, 5, 6 \}$

であり,奇数の目が出るという事象を $A$,素数の目が出るという事象を $B$ とすると,それぞれ,

$A = \{ 1, 3, 5 \}$

$B = \{ 2, 3, 5 \}$

と表される。

 これらの集合はいずれも標本空間 $\Omega$ の部分集合である。事象とそれを表す集合とを特に区別しないで,同じ記号 $A$,$B$ などで表す。


演習問題


応用問題


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