仮説検定の第 $1$ 段階は,検定すべき母数についての仮説を立てることである。
例えば,“新しく開発された薬剤は,従来薬より有効である”とか,“男と女で読書時間に差がある”というのが対立仮説である。
例えば,前の例では,“新しく開発された薬剤は,従来薬より有効とはいえない”とか,“男と女で読書時間に差はない”というのが帰無仮説である。
つまり,帰無仮説は棄却されて始めて研究者の調査・実験意図が達せられるわけでこの意味で 帰無仮説(無に帰される仮説)と呼ばれる。
大数の法則から言えば,標本サイズが大きくなればなるほど,母数のより正確な情報が得られ,対立仮説が正しい場合には帰無仮説は棄却されやすくなる。
このため,帰無仮説が棄却されなかった理由として,真に対立仮説が誤っている場合と,対立仮説は正しいのだが標本の大きさが不十分であるために帰無仮説を棄却するには至らなかった場合の二通り考えられるからである。
演習問題:
問題1 身長と体重に相関関係があることを示したい。作業仮説は a,b のいずれであるかを解答欄に記入し,送信ボタンをクリックしなさい。
問題2 身長と体重に相関関係があることを示したい。帰無仮説は a,b のいずれであるかを解答欄に記入し,送信ボタンをクリックしなさい。
問題3 身長と体重に相関関係があることを示したい。対立仮説は a,b のいずれであるかを解答欄に記入し,送信ボタンをクリックしなさい。
問題4 新しく開発された製品の品質は従来品に比べて優れていることを示したい。帰無仮説は a,b,c のいずれであるかを解答欄に記入し,送信ボタンをクリックしなさい。
問題5 新しく開発された製品の品質は従来品に比べて優れていることを示したい。対立仮説は a,b,c,d のいずれであるかを解答欄に記入し,送信ボタンをクリックしなさい。
応用問題: