問題
「5 人兄弟の同胞 100 組を選んで,これら各組ごとに男子の数を調べたところ,表 1 のようになった( 男子の数 $x$ と実測度数 $f_{i}$ の欄 )。このデータに対して,理論分布としての二項分布をあてはめなさい。」
男子の数 $x_{i}$ | 実測度数 $f_{i}$ | 相対度数 $f_{i}\ /\ 100$ |
---|---|---|
0 | 2 | 0.02 |
1 | 14 | 0.14 |
2 | 20 | 0.20 |
3 | 34 | 0.34 |
4 | 22 | 0.22 |
5 | 8 | 0.08 |
計 | 100 | 1.00 |
解答
5 人からなる同胞の無限母集団を想定し,この母集団における男子の出生率を $p$ とすれば,このような母集団の中から,大きさ 5 である標本を抽出すると,男子の数 $x$ の理論分布は,解析的に
\[ f ( x ) = {}_{5}C_{x}\ p^{x} q^{5 - x} \] で与えられる。しかし,この際の $p$ の値は未知である。したがって,$\mu = 5\ p$ の値もまた,未知である。
そこで,母平均 $\mu$ を推定値( この場合には標本平均 $\bar{X}$ )で置き換えることにする。$\bar{X} = 2.84$ と計算されるから,母平均は $2.84$ と推定される。
したがって,$p$ の推定値 $\hat{p}$ は \[ \hat{p} = 2.84 / 5 = 0.568 \] となる。この $\hat{p}$ を代入して, \[ f ( x ) = {}_{5}C_{x}\ 0.568^{x}\ 0.432^{5 - x} \] が得られる。
男子の数 $x_{i}$ | 実測度数 $f_{i}$ | 相対度数 $f_{i}\ /\ 100$ | あてはめられた二項分布 $f(x_i)$ | 期待度数 $100\ f(x)$ |
---|---|---|---|---|
0 | 2 | 0.02 | 0.015 | 1.5 |
1 | 14 | 0.14 | 0.099 | 9.9 |
2 | 20 | 0.20 | 0.260 | 26.0 |
3 | 34 | 0.34 | 0.342 | 34.2 |
4 | 22 | 0.22 | 0.225 | 22.5 |
5 | 8 | 0.08 | 0.059 | 5.9 |
計 | 100 | 1.00 | 1.000 | 100.0 |