標本平均値,標本分散などのような,標本から得られる標本統計量も散らばりを持つ。これら標本統計量の標準偏差を,特に標準誤差と呼ぶ。例えば,母平均 $\mu$,母分散 $\sigma^2$ の正規母集団から $n$ ケース取り出したときの標本平均 $\bar{X}$ は,平均が $\mu$,標本分散が $\displaystyle \frac{\sigma^2}{n}$,標準誤差が $\mathrm{S.E.}=\displaystyle \frac{\sigma}{\sqrt{n}}$ の正規分布に従う。これから,$\displaystyle \frac{|\bar{X}-\mu |}{\mathrm{S.E.}} \geqq 1.96$ となる標本が得られる確率は 5%,母平均が $[\bar{X}-1.96\ \mathrm{S.E.} ,\ \bar{X}+1.96\ \mathrm{S.E.}]$ の区間に含まれる確率は 95 % などがわかる。前者は統計的検定,後者は統計的推測の例である。