このモデルは,「ある標的器官が,一定期間内に 1 つ以上の有効ヒットに曝されると発癌する」との考え方から導かれたモデルである。 ヒット数の期待値が $\lambda\ D$ のとき,ヒット数 $m$ の分布はポアソン分布に従うので,( 5 )式のようになる。
\[ f(m) = \frac{\exp(-\lambda\ D)\ (\lambda\ D)^m}{m!} \tag{5} \] したがって,1 つ以上のヒットに曝される確率は,( 6 )式のようになる。
\[ P = 1-f(0) = 1-\exp(-\lambda\ D) \tag{6} \] このモデルは低用量領域で直線性を示す1)ので直線モデルとも呼ばれるが,実験用量領域では常に上に凸の用量 - 反応曲線を示し,実際のデータにあてはめできないことが多い。しかし,他のモデルに比べてパラメータ数が少ないので,実験用量段階数が少ない場合にも適用できる。