マンテル・ブライアン法     Last modified: May 15, 2002

 前節で述べた数学モデルにより用量 - 反応関係を記述し VSD を求める方法は,「各モデル関数が持っているパラメータの数 + 1」個以上のデータ( 用量段階数 )がないと適用できない3)。マンテル・ブライアン法は用量 - 反応関数のあてはめを行わずに VSD を求めるのでそのような制限はない。極端な場合としては,ある 1 用量についての実験結果からも VSD を求め得る。

 まず,観察された発癌率の片側上側 99% 信頼限界値を求め,この比率に対応するプロビット値を求める。次に,用量が 1 / 10 になるとプロビット値が 1 減少するような,傾き 1 のプロビットラインを考え,比例配分により VSD を決定する ( 図 5 )。

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図 5.マンテル・ブライアン法による VSD


注 3: 用量段階数が十分でも,正の発癌率を示すデータ数が問題になる場合もある。


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