問:数量化 III 類で,「はい」,「いいえ」のような2つのカテゴリーを持つ変数はどのように扱えばよいでしょうか。
 アイテムデータはカテゴリーデータに変換できるが,両者は微妙な違いがある。食べ物の好き嫌いを分析することを考えてみよう。調査票の作り方には2種類ある。
 例2.によって得られるのはカテゴリーデータである。すなわち,6個のカテゴリーそれぞれに○がついていたかいなかったかであり,各被験者ごとに○の個数は異なる。
 例1.は調査結果をデータファイル化する際に,アイテムデータとして入力することも,カテゴリーデータとして入力することも可能である。    分析結果(とその解釈)も両者では異なったものになる。いずれの取り扱い方がよいかは一概にはいえないが,カテゴリーデータとして扱った場合に,嫌いという選択の情報を失うことになることや,もし例1.の各項目の選択肢が3個以上であった場合との関連からいえば,例1.のような調査票から得られるのはアイテムデータとして取り扱った方がよいように思われる。両方の分析を行って比較してみるのが一番よい方法かもしれない。


   例1.                   例2.
                       
  以下の食べ物について,好きか嫌いか,    以下の食べ物について,好きなものに  
  選択肢に○をつけてください。              いくつでも○を付けてください。 

   うどん    好き 嫌い                 うどん,そば,ラーメン,そうめん  
   そば     好き 嫌い                 スパゲッティ,マカロニ   
   ラーメン   好き 嫌い                                        
   そうめん   好き 嫌い   
   スパゲッティ 好き 嫌い   
   マカロニ   好き 嫌い   

Last modified: May 15, 2002

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