問:数量化 III 類で,「はい」,「いいえ」のような2つのカテゴリーを持つ変数はどのように扱えばよいでしょうか。
アイテムデータはカテゴリーデータに変換できるが,両者は微妙な違いがある。食べ物の好き嫌いを分析することを考えてみよう。調査票の作り方には2種類ある。
例2.によって得られるのはカテゴリーデータである。すなわち,6個のカテゴリーそれぞれに○がついていたかいなかったかであり,各被験者ごとに○の個数は異なる。
例1.は調査結果をデータファイル化する際に,アイテムデータとして入力することも,カテゴリーデータとして入力することも可能である。
- アイテムデータとして入力する場合
この調査結果を,好きを1,嫌いを2として入力する。
6種類の麺類に対して選択肢が2個ずつあるので,計12個のカテゴリーデータに展開される。各被験者あたり○は6個あることになる。
- カテゴリーデータとして入力する場合
例2.の場合にならって,6個のカテゴリーデータとして,好きと答えた場合に1,
嫌いと答えた場合には0として入力する。各被験者あたり○の数は異なることになる。
分析結果(とその解釈)も両者では異なったものになる。いずれの取り扱い方がよいかは一概にはいえないが,カテゴリーデータとして扱った場合に,嫌いという選択の情報を失うことになることや,もし例1.の各項目の選択肢が3個以上であった場合との関連からいえば,例1.のような調査票から得られるのはアイテムデータとして取り扱った方がよいように思われる。両方の分析を行って比較してみるのが一番よい方法かもしれない。
例1. 例2.
以下の食べ物について,好きか嫌いか, 以下の食べ物について,好きなものに
選択肢に○をつけてください。 いくつでも○を付けてください。
うどん 好き 嫌い うどん,そば,ラーメン,そうめん
そば 好き 嫌い スパゲッティ,マカロニ
ラーメン 好き 嫌い
そうめん 好き 嫌い
スパゲッティ 好き 嫌い
マカロニ 好き 嫌い
Last modified: May 15, 2002
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