問:片側検定を行いたいのですが,統計解析プログラムは両側検定の結果しか出力してくれません。
両側検定の結果として,検定統計量とその有意確率(P 値)が示されていると思います。
片側検定の結果が必要な場合には,表示された有意確率(P 値)をもとに判定します。例えば,対応のない 2 群の平均値の差の t 検定で,t=1.73,自由度=45 のとき,表示される P 値は 0.0904844 です。これは,|t| ≧ 1.73 となる確率が約 9% であることを表しています。片側検定に対する P 値はその半分の約 4.5% なので,5% の有意水準で帰無仮説を棄却する,というように解釈します。
ただし,検定によっては片側検定が定義できない場合があります(k×m 分割表での独立性の検定,一元配置分散分析など)。
なお,検定の結果,両側検定では有意でないが片側検定ならば有意であるというようなときに,有意な結果が欲しいからといって片側検定を行ってはなりません(逆の場合も同様です)。両側検定にするか片側検定にするかは,データの分析に先立って決めなければならないのですから(または自ずと決るものです)。
Last modified: May 15, 2002
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